材料費等記載見積書とは|努力義務の中身、5つの経費と労務費の書き方、記入例と無料Excel
材料費等記載見積書は、材料費・労務費・法定福利費(事業主負担分)・建退共の掛金・安全衛生経費の内訳を書いた見積書で、改正建設業法(2025年12月12日全面施行)で作るのが努力義務になりました。作ること自体は努力義務ですが、通常必要な額を著しく下回る見積りは禁止です。この記事では、5つの経費の書き方と、労務費を数量×歩掛×労務単価で出す方法を、記入例と無料のExcelで説明します。
目次
元請から「材料費等記載見積書で出してください」と言われて、いつもの見積書と何が違うのか迷う専門工事会社が増えています。これまでは平米単価や一式の総額で見積を出していて、その中に職人さんの賃金がいくら入っているかを分けて書いたことがない、という会社も多くあります。
この記事では、株式会社サンプル内装(積算担当 山田 太郎)が、株式会社サンプル建設から「〇〇ビル3階 事務所内装改修工事」の見積依頼を受けた場面を例にします。国土交通省が公表している説明資料と、見積書の様式例・書き方ガイドに沿って、材料費等記載見積書の作り方を順に見ていきます。
材料費等記載見積書とは|建設業法で決まった内訳つきの見積書
材料費等記載見積書とは、工事の見積金額のうち、材料費・労務費などの内訳を書いた見積書のことです。内訳に書くのは、材料費・労務費・法定福利費(事業主負担分)・建設業退職金共済制度の掛金(建退共の掛金)・安全衛生経費の5つです。建設業法の第20条第1項に出てくる言葉で、国土交通省の書き方ガイドでも「法令用語で材料費等記載見積書と言います」と説明されています。
ふだんの見積書は、工種ごとの金額と合計が書いてあれば足りました。材料費等記載見積書では、その合計のうち、職人さんの賃金の元になるお金(労務費)や、社会保険料の会社負担分がいくらなのかを、相手に見える形で示します。
この仕組みができた理由を、国土交通省は次のように説明しています。総価一式で契約する慣行や、相場が分かりにくいことから、下請に行くほど経費の増えた分が労務費で吸収され、賃金の元になるお金が十分に確保されていない、という問題です。内訳を見える形にして、労務費を削って安く請け負う競争をなくすことが狙いです。
| 呼び方 | 中身 |
|---|---|
| 材料費等記載見積書 | 建設業法の言葉。材料費・労務費などの内訳を書いた見積書 |
| 労務費等を内訳明示した見積書 | 国土交通省の説明資料での言い方。中身は同じ |
| 標準見積書 | 専門工事業の団体が、職種ごとに作っている見積書の様式 |
ポイントはここです。材料費等記載見積書は、新しい費用を足すための書類ではありません。もともと工事に必要なお金のうち、削られやすい労務費と必要な経費を、見積の段階で見える形にしておくための書類です。
材料費等記載見積書は努力義務|禁止されることとの違い
材料費等記載見積書を作ることは、建設業者の努力義務(=努めるよう求められること)です。作らなかったことだけで罰則があるわけではありません。一方で、同じ第20条の中に「禁止」の決まりもあり、こちらは重さが違います。国土交通省の改正建設業法の説明資料の表を、受注者と注文者に分けて並べると次のとおりです。
| 決まり | 誰の | 扱い | 条文 |
|---|---|---|---|
| 内訳を書いた見積書を作る | 受注者 | 努力義務 | 第20条第1項 |
| 通常必要な額を著しく下回る見積りをする | 受注者 | 禁止 | 第20条第2項 |
| 受け取った見積書の内容を考慮する | 注文者 | 努力義務 | 第20条第4項 |
| 著しく下回る額への見積りの変更を求める | 注文者 | 禁止 | 第20条第6項 |
禁止の決まりに違反した建設業者は、国土交通大臣などからの指導・監督の対象になりえます。つまり、材料費等記載見積書を作るかどうかは努力義務です。一方で、見積りの労務費を著しく低く書くことや、元請が労務費を著しく下げるよう求めることは許されていません。
国土交通省の様式例の書き方ガイドでも、様式例を使って見積書を作らなかったからといって、すぐに建設業法違反になるわけではない、と書かれています。そのうえで、適正な見積りであることを、行政から聞かれたときに説明できるようにしておくことが大事だとされています。
材料費等記載見積書の交付と保存
材料費等記載見積書には、作ることのほかに、渡すことと残すことの決まりもあります。国土交通省の運用方針では、注文者から請求があったときは、契約が成立するまでに材料費等記載見積書を渡さなければならない、とされています。
保存の決まりもできました。保存する見積書は2つあります。最初に出した見積書(当初見積書)と、契約の前提になった見積書(最終見積書)です。運用方針では、建設業者はこの2つを、工事の目的物を引き渡してから10年間保存する義務がある、と説明されています。保存は電子のデータで行うのが望ましい、ともされています。
材料費等記載見積書に書く5つの経費|材料費・労務費・法定福利費・建退共・安全衛生経費
材料費等記載見積書で内訳として書くのは、次の5つの経費です。国土交通省の書き方ガイドに書かれている中身と、計算の基本の式をまとめると次のようになります。
| 経費 | 中身 | 計算の基本 |
|---|---|---|
| 材料費 | 工事に直接使う材料の調達費用(木材・鉄筋・ボードなど) | 数量×単価 |
| 労務費 | 現場で働く技能労働者の賃金の元になる費用 | 数量×歩掛×労務単価の合計 |
| 法定福利費(事業主負担分) | 健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・子ども・子育て拠出金・雇用保険料の会社負担分 | 労務費×料率の合計 |
| 建退共の掛金 | 建設業退職金共済制度の掛金を払うための費用 | 人工×単価の合計 |
| 安全衛生経費 | 労働安全衛生法などにもとづく労働災害防止対策の費用 | 積み上げ、経費率、または両方の合計 |
労務費と法定福利費の線の引き方
材料費等記載見積書で一番まちがえやすいのが、労務費と法定福利費の境目です。書き方ガイドでは、労務費は労働者本人が受け取るべき賃金の元になる費用で、基本給や各種の手当、賞与などが入ります。社会保険料のうち働く人が負担する分(本人負担分)も、労務費に含まれます。
社会保険料のうち会社が負担する分は、労務費ではなく法定福利費の行に書きます。同じ金額を2つの行に入れると二重になるので、労務費の単価に会社負担の保険料を含めている場合は、分けてから書きます。
2026年4月からは「子ども・子育て支援金」が健康保険料とあわせて集められるようになりました。国土交通省の事務連絡では、材料費等記載見積書に書く法定福利費(事業主負担分)に、この支援金を含めるとされています。会社負担分は、労務費総額に支援金率をかけて2分の1にした額です。料率は年度で変わるので、見積を出す時点の値を確かめて使います。
建退共の掛金と安全衛生経費の書き方
建退共の掛金は、いつでも計上するものではありません。書き方ガイドでは、計上するのは、受注者か再下請の会社が建退共に入っていて、上の会社が証紙などをまとめて買っていない場合です。そのときは、建退共に入っている労働者の働く日数分を計上する、とされています。
安全衛生経費は、見積の条件を決めるときに、どちらが費用を持つかを確かめた項目のうち、自社が持つ分を積み上げるのが基本です。書き方ガイドには「安全衛生対策項目の確認表」という参考のひな型があります。安全衛生経費は労務費などと一部が重なることがある、とも書かれているので、二重に入れていないかを見ておきます。
材料費等記載見積書の労務費の書き方|数量×歩掛×労務単価
材料費等記載見積書の労務費は、「数量×歩掛×労務単価」で出すのが基本の考え方です。歩掛(ぶがかり)とは、単位あたりの作業にかかる人数のことで、例えば「1㎡あたり0.05人」のように表します。数量に歩掛をかけると人工(にんく:1人が1日働く量)になり、それに1日あたりの労務単価をかけると労務費になります。
例:〇〇ビル3階の内装工事で、軽量鉄骨の壁下地とボード張りの労務費を出すと、次のような形になります(歩掛・単価は架空の値です)。
| 名称 | 数量 | 単位 | 歩掛り(人/単位) | 人工 | 労務単価(例) | 労務費 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 壁 軽量鉄骨下地 | 320 | ㎡ | 0.050 | 16.0 | 例:25,000円 | 例:400,000円 |
| 壁 せっこうボード張り | 640 | ㎡ | 0.025 | 16.0 | 例:25,000円 | 例:400,000円 |
| 労務費計 | 32.0 | 例:800,000円 |
国土交通省の運用方針では、労務費の総額だけを書くより、労務単価と歩掛の段まで分けて書くのが望ましい、とされています。そうすると、賃金の元になるお金が確保されていることを示せるからです。
一方で、材料費等記載見積書の作成は努力義務であり、一律に歩掛を開示しなければならないわけではない、とも書かれています。歩掛が自社にとって外に出したくない情報であれば、内訳の細かさを調整することは許されます。ただし、労務費が低すぎるのではと疑われたときは、労務単価×歩掛の計算で妥当だと説明できるようにしておく必要があります。
材料費等記載見積書の労務単価の選び方
材料費等記載見積書で使う労務単価について、運用方針では、受注する工事と職人さんの職種に合わせて、適切な公共工事設計労務単価を当てはめる必要がある、とされています。1人の職人さんが複数の作業をする場合は、作業ごとに歩掛と労務単価をかけるのが基本です。
同じ運用方針には、気をつける書き方も挙げられています。労務単価を職種の公共工事設計労務単価より低く置くことや、実際より効率のよすぎる歩掛を置くことは、「著しく低い労務費での見積り」として建設業法違反になりうる、とされています。安く見せるために歩掛を小さくする書き方は避けたほうが良いです。
材料費等記載見積書と標準労務費|基準値と比べる
材料費等記載見積書の労務費が「著しく低い」かどうかを見るときの目安が、中央建設業審議会が2025年12月2日に決めた「労務費に関する基準」です。一般に「標準労務費」とも呼ばれています。国土交通省は、この基準をふまえた適正な労務費の具体的な値を、トンあたり・平米あたりなどの「単位施工量当たり労務費」の形で「基準値」として公表しています。
国土交通省の基準値の概要では、2025年12月までに13の職種分野・99の工種(作業)で基準値が決まった、と説明されています。基準値は、標準的な作業内容と施工条件を前提にした値です。現場に特別な条件があるときは、作業内容や条件をふまえて補正して労務費を出す必要がある、とも書かれています。
| 見るもの | どう比べるか |
|---|---|
| 労務単価 | 職種ごとに、自社の労務単価を公共工事設計労務単価などの値と並べる |
| 単位あたりの労務費 | 歩掛×労務単価で単位あたりの労務費を出し、基準値と並べる |
| 基準値が無い職種 | 基準値が無くても、適正な労務費を確保する必要は変わらない |
ポイントはここです。標準労務費の基準値は、見積の金額を上から決めるものではなく、自社の労務費が低すぎないかを確かめるための物差しです。基準値と比べた結果を手元に残しておくと、元請との価格交渉で根拠として示しやすくなります。
基準値の一覧は、国土交通省の「労務費に関する基準ポータルサイト」で公表されています。職種と工種ごとに値と前提の条件が書かれているので、自社の工種に近いものを探して比べます。
材料費等記載見積書の例と作り方|様式例・記入例・流れ
材料費等記載見積書の様式は、国土交通省が「専門工事業者向け見積書の様式例」としてExcelで公表しています。様式例には、簡易版と詳細版(鑑・鑑の別紙・明細書)の2つがあり、どちらを使うかは任意です。書き方ガイドでは、あくまで様式の例なので、使いやすいようにExcelを編集してもかまわない、とされています。
様式例は、基準を踏まえた取引の考え方のページから、書き方ガイドと一緒にダウンロードできます。団体の標準見積書や自社の様式でも、5つの経費の内訳が示せる形になっていれば使えます。
材料費等記載見積書の記入例
〇〇ビル3階の内装工事を例に、見積書の下の段に5つの経費をまとめると次のようになります(金額はどれも例です)。
株式会社サンプル建設 御中 工事名:〇〇ビル3階 事務所内装改修工事 株式会社サンプル内装 積算担当 山田 太郎 見積金額(税抜):例:3,600,000円 うち材料費:例:1,450,000円 うち労務費:例:1,200,000円 うち法定福利費(事業主負担分):例:190,000円 うち建退共の掛金:例:0円(元請が証紙を一括購入のため計上なし) うち安全衛生経費:例:60,000円 労務費の備考:歩掛は自社の施工実績による。労務単価は職種ごとに設定
建退共の掛金のように計上しない経費があるときは、空欄にせず「0円」と理由を書いておくと、書き忘れではないことが相手に伝わります。労務費の備考には、歩掛の出どころなど、相手が確かめたい点を短く書いておきます。
無料のExcel(材料費等記載見積書)
積算フクロウでは、材料費等記載見積書を作るための無料のExcelを用意しています。明細の行に名称・規格・数量・単位・材料費単価・歩掛り・労務単価を入れると、材料費と労務費(数量×歩掛り×労務単価)が自動で出ます。下には材料費計・労務費計・法定福利費(労務費×率)・建退共の掛金・安全衛生経費・諸経費・小計・消費税・合計が並びます。
別の表では、職種ごとの労務単価と、比べる基準の値(自分で調べた値を入れます)を並べ、下回っていれば「下回っています」と出ます。シートは記入用・記入例・説明の3つです。
| 材料費等記載見積書(労務費の内訳つき) | ||||||||||
| 株式会社サンプル建設 御中 | 見積番号 | E-2026-0318 | ||||||||
| 下記のとおり御見積申し上げます。材料費・労務費・法定福利費などの内訳は明細のとおりです。 | 見積日 | 2026年10月17日 | ||||||||
| 工事名 | 〇〇ビル3階 事務所内装改修工事 | 有効期限 | 見積日から30日間 | |||||||
| 工期 | 2026年11月9日〜11月27日 | 株式会社サンプル内装 | ||||||||
| 図面・仕様 | 内装改修図 A-01〜A-08(第2版) | 積算担当:山田 太郎 | ||||||||
| 御見積金額(税込) | ¥1,899,134 | |||||||||
| 1. 明細(労務費=数量×歩掛り×労務単価) | ||||||||||
| No. | 名称 | 規格 | 数量 | 単位 | 材料単価 | 材料費 | 歩掛り(人/単位) | 労務単価(円/人日) | 労務費 | 備考 |
| 1 | 軽量鉄骨壁下地 | LGS 65型 @455 | 120 | m² | 1,200 | 144,000 | 0.06 | 24,000 | 172,800 | 例の単価・歩掛り |
| 2 | 石膏ボード張り | 12.5mm 2重張り | 240 | m² | 450 | 108,000 | 0.03 | 24,000 | 172,800 | 例の単価・歩掛り |
| 3 | ビニルクロス貼り | 量産品 | 260 | m² | 300 | 78,000 | 0.025 | 25,000 | 162,500 | 例の単価・歩掛り |
| 4 | タイルカーペット | 500角 | 180 | m² | 2,800 | 504,000 | 0.02 | 25,000 | 90,000 | 例の単価・歩掛り |
| 5 | ソフト巾木 | H60 | 90 | m | 250 | 22,500 | 0.01 | 25,000 | 22,500 | 例の単価・歩掛り |
| 6 | ||||||||||
| 7 | ||||||||||
| (空欄があと3行つづきます) | ||||||||||
| 材料費 計 | 856,500 | |||||||||
| 労務費 計 | 620,600 | |||||||||
| 総人工(人日) | 25.4 | 数量×歩掛り の合計 | ||||||||
| 法定福利費(事業主負担分・労務費×率%) | 15 | 93,090 | 例の率。法定福利費の計算表で出す | |||||||
| 建退共の掛金(総人工×日額) | 320 | 8,128 | 例の日額。最新の掛金日額を確かめる | |||||||
(この下に19行あります。全体はダウンロードしたExcelで見られます)
材料費等記載見積書の作り方の流れ
材料費等記載見積書の作り方は、図面から数量を拾うところから始まります。材料費も労務費も数量にかける形なので、数量がずれると5つの経費が全部ずれます。流れを図にすると次のとおりです。
- 数量を拾う図面から、材料と作業ごとの面積・長さ・個数を拾う
- 材料費を出す数量×材料の単価で、行ごとの材料費を出す
- 労務費を出す数量×歩掛×労務単価で、行ごとの労務費を出す
- 必要な経費を出す法定福利費・建退共の掛金・安全衛生経費を計算する
- 基準と比べる労務単価と単位あたりの労務費を、基準の値と並べて確かめる
- 見積書にまとめて残す5つの経費を内訳に書いて出し、当初と最終の見積書を保存する
数量の拾い方は、内装の積算のやり方で床・壁・天井ごとに説明しています。図面から漏れなく拾うための手順は、図面の拾い出しのコツにまとめました。
一般には、材料費等記載見積書をExcelで作る会社が多く、数量・単価・歩掛を入れる表と、見積書の書式を別のシートに分けている形がよく見られます。この形は、自社の書式に合わせて列を自由に変えられる点で扱いやすい方法です。気をつけたいのは、図面が変わったときに、数量の表・労務費・見積書の3か所を全部直す必要があることです。
材料費等記載見積書を図面から速くつくるには
材料費等記載見積書で時間がかかるのは、多くの場合、数量の拾いと、数量の変更を見積書まで反映させる作業です。歩掛と労務単価の表を一度作っておけば、あとは数量が決まれば労務費が出ます。そのため、数量を正確に速く出せるかどうかで、見積の速さが決まります。
積算フクロウは、図面の拾いから見積書の提出までを1つの案件でつなげるクラウドです。図面のPDFや画像で縮尺を合わせ、面積・長さ・個数を拾えます。品目マスタには原価・見積単価・歩掛り・ロス率を登録でき、拾った数量から金額を出します。下は図面積算の画面です(サンプルの図面)。

見積書は書式を5種類から選べ、材工別の書式では材料と手間を分けて示せます。見積書とPDFの出力は無料プランから使えます。社内の承認とハンコ、URLでの送付、Excelでの出力はスタンダード以上の機能で、有料プランの購入はいま準備中です。
材料費等記載見積書のよくある質問
材料費等記載見積書を出さないと罰則がありますか?
材料費等記載見積書を作ることは努力義務なので、作らなかったことだけで罰則があるわけではありません。ただし、通常必要な額を著しく下回る見積りは禁止で、違反すると国土交通大臣などからの指導・監督の対象になりえます。また、注文者から請求があったときは、契約が成立するまでに渡す必要があります。
国土交通省の様式例を使わないといけませんか?
使わなくてもかまいません。書き方ガイドでは、様式例はあくまで例で、編集して使ってもよいとされています。団体の標準見積書や自社の様式でも、材料費・労務費・法定福利費・建退共の掛金・安全衛生経費の内訳が示せれば使えます。
歩掛まで元請に見せる必要がありますか?
国土交通省の運用方針では、労務単価と歩掛まで分けて書くのが望ましいとしつつ、一律に歩掛の開示を求める趣旨ではない、とされています。ただし、労務費が低すぎると疑われたときは、労務単価×歩掛の計算で妥当だと説明できるようにしておく必要があります。
標準労務費の基準値をそのまま見積に使ってよいですか?
基準値は標準的な作業内容と施工条件を前提にした値で、個別の契約にそのまま当てはめるものではない、とされています。現場の条件に合わせて補正し、自社の歩掛と労務単価で計算した労務費と並べて、低すぎないかを確かめる使い方が基本です。
材料費等記載見積書はいつまで保存しますか?
国土交通省の運用方針では、当初見積書と最終見積書を、工事の目的物の引渡しから10年間保存する義務がある、と説明されています。保存は電子のデータで行うのが望ましいとされています。
材料費等記載見積書のまとめ
材料費等記載見積書は、見積金額の中の材料費・労務費・法定福利費・建退共の掛金・安全衛生経費を見える形にした見積書です。計算の形を一度決めておけば、毎回の見積で迷う場面はぐっと減ります。
- 改正建設業法(2025年12月12日全面施行)で、作るのは努力義務、著しく低い見積りは禁止
- 内訳に書くのは5つの経費。労務費には本人負担の保険料を含め、会社負担分は法定福利費の行へ
- 労務費は数量×歩掛×労務単価。歩掛の開示は一律ではないが、計算の根拠は説明できるようにする
- 標準労務費の基準値は、低すぎないかを確かめる物差しとして使う
- 当初見積書と最終見積書は、引渡しから10年間保存する
様式は国土交通省の様式例でも、この記事の無料Excelでも、自社の書式でもかまいません。料金と公開の予定は料金のページで確かめられます。
図面の拾いから見積書の提出まで、1つの案件でつなげる
図面のPDFで数量を拾い、品目と単価をあてて見積書にし、社内の承認を受けて提出するまでを1つの案件でつなげます(順次公開中)。料金は月2,980円から公開しています。
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